インドネシアでアフリカのサバンナが体験できる?バルラン国立公園
今日はインドネシアでアフリカのサバンナのような大地がある場所をご紹介します。
最初に断っておきますが、ライオンやキリン、カバなどアフリカの動物が見られるわけではありません!(笑)
あくまでサバンナのような平原があるという場所です!
さて、そのサバンナが見れる場所、バルラン国立公園を紹介していきましょう!
行き方
バルラン国立公園ですが、場所はバニュワンギというジャワ島の一番東にある町の近くにあります。
バニュワンギは近年観光地として注目を浴びつつある、インドネシアでもこれからホットになるであろうスポットです。
バルラン国立公園の場所はこの地図の赤丸で囲まれたところです。
バニュワンギの中心部から車で40分~60分くらい。
とにかく広くて、車でないと移動は無理でした。
ぼくはバニュワンギの中心市からちょっとだけ北に行ったところのホテルから申し込める現地ツアーに参加しました。
現地ツアーといっても一緒に行った3人で四輪バギーに乗ってバルラン国立公園の中を連れてってもらう感じです。
ツアー代は一人あたり2000円くらいでとてもお得でした。
公園の入場料に225000ルピアかかるのでそれは入り口で別途払います。
日本には存在しない広大なサバンナ!
公園の中にはいっていくとしばらくは両脇が木々に囲まれた砂利道を車で走っていきます。
とにかく道がちゃんと舗装されていないので、めちゃくちゃ揺れます(笑)
ツアーがバギーに乗っていくものである理由がわかりました。
入り口当たりから10kmほど同じような道を走っていくと、広い平原にでます。
これがサバンナ…!!
たしかに日本ではこのようなただただ広い平原を見ることはなかなかありません。
後ろにある火山からは煙がでていたりもしました。
少し荒々しいような、それでいてとても美しい光景です。
再びバギーに乗って少し進んで別の場所で降ります。
そこには水牛の頭蓋骨がたくさん並べられていました。
最初にアフリカのような動物には出会えないとは言いましたが、このバルラン国立公園にも多くの動物は存在しています。
そのなかでも水牛はとても有名なようです。
幸運なことに、その直後にちょうど水浴びをしている水牛に出会うことができました!
写真はちょっとわかりづらいですが、真ん中辺りにいる黒くて角があるやつです。
ここはサルの公園かな?
このバルラン国立公園、どんな動物よりもとにかくサルがたくさんと出会うことができます。
これでもかってほどのサルです。
そこらへんの道を歩いていることはさることながら、
その後海辺に連れて行ってもらった場所にもサルがたくさん。
海辺で砂の中にいる餌を探すサルというちょっとめずらしい光景とも出会うことができます。
海辺はサルとか関係なく景色が綺麗なので、ぜひ行くことをおすすめします!
広大な大自然を見に行って見よう!
このバルラン国立公園では、日本とは全く違う広大でむき出しの自然を見ることができます。
壮大な自然に触れてみたい、そんな方にはとてもおすすめのスポットです!
❮行き方から魅力まで❯バリ西部に浮かぶ島、ムンジャガン島!そこはシュノーケリング・ダイビングの知られざる聖地だった!
初めに言っておくと、これまで幾度かシュノーケリングをしてきた僕ですが、ここほど海が綺麗でたくさんの魚たちと出会えた場所はいまだありません。
そう、その場所とは・・・
ムンジャガン島!!
いや、どこですかそこ(笑)
ってなっていることだと思います。
しかし知られていなくて当然、まだそこまで観光地化されていないのです。
だからこそ海がとても綺麗!
この写真だけでもその海の綺麗さが伝わるのではないでしょうか。
今回はそんなムンジャガン島の魅力をお伝えします!
行き方は2通り:バリ島からいくか、ジャワ島東部の町バニュワンギからいくか
まずムンジャガン島の場所ですが、この地図の丸赤で囲まれたところの島になります。
バリ島の北西に浮かぶこの小さな島がムンジャガン島です。
この島はバリ西部国立公園の一部にもなっています。
行き方は上に書いたように2通りあります。
ぼくはバニュワンギから行ったのですが、バリ島の中心地から向かうと4時間ほどかかるとの情報があるので、長い移動時間はしんどいという方には向かないかもしれないですね。
一方バニュワンギからはボートで1時間ほどでいけました。
上の地図で見ても、バリの中心地テンパサールよりも、ジャワ島のバニュワンギのほうが近いことがよくわかりますよね。
こんなかんじのボート規模の小舟で海をわたっていくので、めちゃくちゃ揺れます。
船酔いしやすい人は注意しましょう。
ホテルでツアーとして予約したので、ホテルからの送迎、ボート代、シュノーケリング用具込みで参加者全体で600000ルピア(日本円で6000円弱)くらいだったかなと思います。
バリ島などに比べて観光地化が進みきっていないバニュワンギはツアー代も比較的安めになっていた印象でした。
ただし、ムンジャガン島に入るのに、国立公園入場料として一人200000ルピアほどかかるのでそこにはご注意を。
あと島の受付の人とは一人以外とはあまり英語が通じなかったです。
しかも昼から宴会しててました(笑)
でもホテルに電話するためにスマホ貸てくれたし、ついでにそこらへんでつくられた焼酎?みたいなお酒飲ませてくれたのでいい人たちです。
透き通った海!!
ムンジャガン島の特徴と言えば、何よりもその透き通った海。
シュノーケリングやダイビングにはもってこいのスポットです。
海の中には綺麗なサンゴ礁と、色とりどりの熱帯の魚たちが泳いでいました。
(水中カメラもっていないので写真はないんですごめんなさい…)
10mほど泳ぐと、海底が崖のようになっていて水深が一気に深くなる場所があり、そこにびっくりするくらいたくさんの魚たちが集まっていたのが印象に残っています。
ツバメウオやスズメダイやツノダシなど、出会った魚は数え切れないほど。
景色もきれいで、青い海と白い砂浜のコントラストが絶妙でした。
ちなみに後ろにうっすりと見える山はジャワ島にある山です。
こんなかんじの小舟で観光客はここへやってきます。
ちなみに他の観光客は20人ほどいましたが、みんな欧米人でアジア人はぼくたちだけでした。
アジアではまだまだ有名じゃない穴場ということでしょうか。
この島にはたくさんの野生の鹿がいました。
どうやらムンジャガンとは現地の言葉で鹿という意味みたいです。
海に入った後は島を探検してみよう
このムンジャガン島、海に潜るのもそうですが、実は島の散策も楽しかったりします。
ということでここからは、島をちょっとだけ歩いた感想を。
島の入り口にはこんなかんじのヒンドゥーらしきモニュメントがありました。
ちょくちょく布やら傘やらがくっついています。
船着き場のすぐそばに石門があり、島の中に続く道が続いています。
欧米人たちは海をずっと楽しんでいて散策にいっている人たちは誰もいなかったので、誰もいない島を冒険している気分になれました。
たまに木々の中から見える海がとても綺麗。
道を歩いているとちょくちょく鹿に出会えます。
襲ってきたりはしませんでした。
少し歩くとヒンドゥー寺院のようなところが。
とても静かで心が落ち着きます。
色んなヒンドゥーの像があって、なかなか面白かったです!
その寺院のそばにある階段を上ると島の頂上付近まで行くことができます。
そこから見渡す島と海は絶景以外の言葉が出ません!
ムンジャガンにいったらぜひ島の上からの絶景まで見ることをおすすめします!
このように魅力たっぷりのムンジャガン島。
日本から決して行きやすいわけではないですが、たどり着けば感無量の自然が出迎えてくれることでしょう。
❮短期留学④❯発展途上国の大学生と知り合うことの大きな意味
今日話は、インドネシアの大学に短期留学に行って、現地の大学生とたくさん話して仲良くなって感じた大切な意義について書こうかと思います。
この意義というのは、先進国の大学生と知り合うことはもちろんですが、発展途上国の大学生と知り合ってこそ意味があるのかなと感じたことです。
発展途上国を遅れていると思っていたらいけない
ところで、発展途上国、と聞かれたらどのようなイメージでしょうか。
こんなだったり、
こんなような、
あるいはもっと貧しいこんなような、
まだまだ遅れているようなイメージを持っていないでしょうか。
たしかに、今あげた写真は僕が今年2018年にアジアの発展途上国で撮った写真なので、こうした写真が発展途上国の多くの部分であることには間違いありません。
貧困や遅れたインフラ、病気などの問題も多く残ります。
しかし、実はこうした国にも優秀な人たちもいるのです。
例えば、以前紹介した8か国語喋れる学生や、自分でプログラミングしてゲームを作成してしまうような学生。
honkaraasuwotukuru.hatenablog.com
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彼らのような優秀な学生は実際に発展途上国にもたくさんいるのです。
更には彼らは勉強に対してほんとに熱心です。
寝る間もおしまず勉強します。
普通の日本人の優秀な学生よりもはるかに優秀なんじゃないかと思わされるほどに。
発展途上国の人がみんな遅れている、というのは大きな間違いなんです。
自分たちが国を変えていくんだ
そして彼らは日本の優秀な学生の多くが忘れてしまっているマインドを持っています。
それは、「これから自分たちが自分たちの国を支えていかなければいけないんだ」というマインドです。
彼らは自分の国が先進国におくれをとっていることを自覚しているから、なんとかこれから追いついていかないといけないと感じています。
それは明治維新後の日本や、第二次世界大戦後の日本のときの若いエリートたちと同じです。
日本がそうした状況のあと当時の先進国を脅かすほど成長したように、若い人たちが自国に対してなんとかしなきゃと感じているときは、そのあと大きな成長を遂げるケースが多いのです。
現にいまの発展途上国にはそうした優秀な若い人たちがたくさん育ってきているのです。
この一見東京と変わらぬ場所で、その優秀な人材たちは働いていくことでしょう。
いつまでも発展途上国を遅れた場所だと思ってはいけない。
そんなことを実感できるのが、発展途上国の大学生と知り合う意義の一つなのかなと思います。
自分ももっと頑張らないとなぁと刺激をうけるばかりでした。
❮短期留学③❯夜1時に寝て4時に起きる、そして8か国語を話せるスーパー学生
どうもお久しぶりです。
ここ20日間くらいいろんなところに行き続けていたのですが、肝心のパソコンを持っていなかったので更新がストップしてしまいました。
またぼちぼち更新していきたいと思います。
ではインドネシア大学への短期留学の話の続きをしていきましょう。
これまでの短期留学の記事はこちら。
honkaraasuwotukuru.hatenablog.com
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さて、インドネシア大学はインドネシアにおける東大的なポジションなのでとんでもなく優秀な学生が多いのです。
今日はこの短期留学で出会った中でも特に優秀だと感じた学生の話です。
本名出すのはよくないだろうから、かれのことをF君を呼ぼうと思います。
夜1時に寝ても4時に起きる
遅寝早起きとはまさにこのこと。
夜遅くまで彼は勉強したり、友達と遊んだり、色々するそうです。
ぼくも彼とは何度も夜遅くまで一緒に話したり、UNOをしたりしていました。
寝るのはだいたいいつも1時ころらしいのですが、朝起きるのはなんと4時なんです。
日本にいたら睡眠時間3時間って社畜かっと突っ込みたくなります(笑)
というのも、F君はイスラム教徒だから、毎朝お祈りをするんだそうです。
日中眠くならないのかな、って思うんですが、昼寝を少しするから大丈夫なのだとか。
日本にいると、こういう習慣はないからとても新鮮でした。
毎日決まった時間に町中にアザールというイスラム教の聖典コーランの朗読が流れているときにも思うことですが、生活の中に宗教が溶け込み、信仰を大切にしていくという生き方が誰にとっても当たり前という世界に直面すると、良い意味で自分のこれまで持っていた世界観が大きく揺さぶられる感じがします。
海外で生活してみて初めて分かることの一つですね。
英語はもちろん、日本語、韓国語、タイ語だって話すことができる
夜中まで色々語り合っていたのですが、彼の好奇心はとてもすごい。
とくに言語への関心がすごく、なんとF君は8か国語(もっとかも)話せるんです。
日本語なんてぺらぺらで、J-POPとかさらっと歌えちゃいます。
前前前世とか、しっかり意味を理解したうえで歌えちゃいます。
と思いきや、韓国の学生とは韓国語で会話してるし。
中国語もタイ語もわかるそうで、アジアだったらどこでも生きて行けるじゃんってかんじです。
しかも、ドイツ語やスペイン語も少しかじったとか。
男性名詞とか女性名詞とか覚えるのたるいわ~って話してたけれど、きっと彼のことだから普通に話せてしまうのでしょうね。
あ、もちろん英語はぺらぺらです。
そんなにたくさんの言語を会話レベルで習得するってどれだけ勉強しているのだろう…。
コツを聞いたら、「現地の流行りの歌うたってみたりしてとにかく使うことだよ~」って言っていたので、これは実践するしかないですね。
F君はめちゃくちゃ優秀なんだろうけど、それにしても世界の広さを思い知らされました。
しかも自分と同世代の若者が世界でも通用する強みを磨いているわけで、もっと自分も頑張らないといけないなぁと思わされました。
というわけでもっと本読んで、勉強して、行動して、いろんな世界を見ていきたいなと思う今日この頃でした。
❮短期留学②❯インドネシア大学の学生ってどんな人!?
前回から始まったインドネシア大学短期留学シリーズ第2弾です。
前回の記事はこちら。
honkaraasuwotukuru.hatenablog.com
さて、今回はこの短期留学でお世話になる、インドネシア大学の学生について書いてみようと思います。
インドネシア大学の学生はめちゃくちゃ陽気!
一言で書くと、インドネシア大学の学生たちはとても社交的で陽気な人たちばかりの印象です。
インドネシア人がそうかと言われるとそうとは限らないかもしれませんが、インドネシア大学の学生たちはとても仲良くフレンドリーに色々話しかけてくれます。
今回は短期留学生の活動を手伝ってくれるチームの大学生を少し紹介しようかと思います。
例えば彼女。
常に明るく、笑顔が素敵な大学生。
ちなみに彼女が引っ張っているのはスーパーのかご。
実はこれが正しい使い方なんです。
そんな彼女は、将来は看護士を目指していて、今は看護学部で勉強中なのだそう。
ぜひとも夢を叶えてほしいですね。
他にも、
彼はめちゃくちゃジョークが大好きで、いつも面白いことを言っています。
日本のマンガが好きらしく、ナルトのキャラの真似とかをよくしてます。
ですが、時たま真剣モードに入るととても優秀で、自分でゲームを作れてしまうほどのプログラミングの才能もあったりするのです。
多様性ゆえのおもてなし?
他にもユニークな学生ばかりですが、皆総じてたくさん話しかけてきてこちらを楽しませようとしてくれます。
彼らのおもてなしの態度には感動するばかりで、おかげさまで毎日楽しく過ごさせていただいています。
生まれは全然違う場所で、宗教や文化のバックグラウンドも違う。
しかしお互い一人の人間で、笑顔で話せばたとえつたない英語だろうと、そういったたくさんの異国の壁など取り払えてしまう、そんなことを教えてくれます。
インドネシアは多くの民族からなり、様々な宗教が認められているがゆえに、多様性を重んじる国だから、特にそういうことを感じやすいのかもしれません。
これからも、たくさん彼らから日本では感じることのできない多くのことを学んでいきたいですね。
❮インドネシア大学短期留学①❯今日からしばらく短期留学の話をします
こんにちは!
実は今ぼくはインドネシアからこの記事を書いています。
というのも2週間ほどのインドネシア大学の短期留学に来ているのです!
というわけで今日からしばらくはインドネシア大学中心のお話になるかと思います、ご了承ください~
インドネシア大学とは
最初の記事なのでインドネシア大学の情報と、短期留学の目的について少し書こうかと思います。
まず、インドネシア大学は首都のジャカルタ、正確にはジャカルタ州の南にあるデポック州というところにメインキャンパスがあります。
ここ、めちゃくちゃ広くて、なんと東京ドーム68個分の広さです。
しかもキャンパスの75%は森に覆われています。
日本じゃなかなか考えられないキャンパスですよね。
自然にあふれたとても雄大で素敵なキャンパスです。
東南アジアというかんじの雰囲気もよく感じられます。
大きな池が校内に6個もあって、その広さが伺えます。
ちなみにインドネシア大学は、日本でいうところの東京大学的な立ち位置のようでとても優秀な生徒がたくさんいます。
インドネシアの最高峰ですね!
YOUは何しにインドネシアに?
では何しにインドネシア大学に来ているの?
そもそもインドネシア大学って何語話すの?
色々つっこみどころはありますよね(笑)
そもそも、2ヶ月前くらいもインドネシアのジャカルタ行ってたじゃん!
そう言われても何も言えません。
honkaraasuwotukuru.hatenablog.com
では何しにわざわざインドネシア大学に短期留学にやって来たか、と言いますと理由は2つ。
一つは、インドネシアがもつ様々な魅力を学んでみたかったから。
インドネシアは約7000の島からなり、島々を合わせた横の長さはアメリカの横の長さに匹敵します。
そして、200を越える民族が存在します。
更に宗教はイスラム教が90%を占めるうえで、他に仏教やキリスト教、ヒンドゥー教も信仰されていて、それらの文化が混ざり合わさって今のインドネシアが形成されているのです。
同じ島国の日本とは、かなり異なる環境で、それはぼくにとって大きな魅力としてうつりました。
だからインドネシア大学で実際にそういった文化を学んでみたい、というのが大きいのです。
二つ目は、様々なバックグラウンドの人たちと交流してみたかったから。
インドネシア大学の短期留学プログラムは、英語で行われ、日本の大学の他に、韓国、中国、マレーシア、オーストラリアから100人ほどの学生が集まります。
そこにインドネシア大学の学生も加わって一緒にプログラムを進めていくわけです。
様々なバックグラウンドをもつ人たちと交流でき、そうした体験こそが自分の知見を広げてくれることでしょう。
これからの記事では、そんな留学ならではの話を書いていこうと思います。
よかったら読んでみてくださいね!
【書評】今アジアで起こっていることを学びたいならこの一冊を~遠藤環・伊藤亜聖・大泉啓一郎・後藤健太編『現代アジア経済論』
今回紹介するのは、遠藤環・伊藤亜聖・大泉啓一郎・後藤健太編『現代アジア経済論ーアジアの世紀を学ぶ』です。
この本は大学の講義で使われる教科書となることを念頭に置いて書かれた本です。
現代のアジアで何が起こっているのか、学問の世界ではどのようにとらえられているのか、初心者でもわかりやすく、かつ正確に記述されているのがこの本であると言えましょう。
要約
- 東アジアと東南アジアに共通して起こっていることに注目したアジア経済の教科書
- これまでにない画期的な章立て構成
変化していくアジア
最初にことわっておくと、この本においてさす”アジア”という地域は、東アジアと東南アジアを指しています。
インドなどの南アジアやイランなどの西アジアまでを入れてしまうと、共通しておこっていることがよくわからなくなってしまうため、今回は省いたそうです。
インド研究者からはインドはアジアじゃないだと~?という声が聞こえてきそうですが、一回そこは置いておきましょう。
さて、いまアジアで起こっていること、と言われて皆さんは連想するものがありますか?
ひょっとすると今頭に思い浮かんだことは、一昔前のことになっているかもしれません。
「アジアと言えば発展途上国だし貧しそう」
そう思ったとしたら、もう大間違いです。
アジアは都市化が進み、首都なんてもう東京とさほどかわりません!
以前インドネシアの首都ジャカルタについて紹介した記事を書いているのでそちらの写真などを見ていただければよく分かるのではないかと思います。
honkaraasuwotukuru.hatenablog.com
ではもう貧困問題は脱したのかと言われると答えはyesでありnoでもあります。
アジアはここ数十年の間に急速な経済発展をとげ、1日に200円しか使えないような貧しい人はだいぶいなくなりました。
しかし、今度は格差問題が問題になってきているのです。
貧しくてご飯も食べれないという人はかなり減ったけど、多くのぎりぎりの生活にしかとどまれない人と、たくさんのお金をもらえる人に分かれたわけです。
いまの日本と似ていますね。
この不平等化しているアジアは今アジアに起こっていることのほんの一例です。
この本を読めば、今何が起こっているのか、ということの大部分を理解することができるでしょう。
教科書として画期的な構成
最後に、この教科書がこれまでの他の教科書と異なりなぜ画期的であるかを説明したいと思います。
結論から言うと、いまアジアで起こっていることという視点で章立てがなされているのです。
これまでの教科書の章立て構成は、基本的に2章中国、3章韓国、4章ベトナム、5章タイ...といったかんじで、国ごとに分かれた章立てとなっていたんですね。
ある地域に特化した研究者が多く、全体を包括した研究者が少なかったということも要因の一つでしょう。
ただ、この何が問題たったのかと言うと、中国の章でも、韓国の章でも、ベトナムの章でも、タイの章でも、どの地域でも同じ問題が書かれていたのです。
どの章でも高齢化や格差問題、グローバル・バリューチェーン、といったようなキーワードが飛び交っていました。
それに対してこの本はそういった今アジアに共通しておこっていることを捉えようという試みで書かれています。
そのため章立ての構成は、生産するアジア、都市化するアジア、高齢化するアジア、不平等化するアジア、といった章からなりたっています。
そのような点からも、地域特有なものでなく、アジア全体において起こっていることを捉える上で大変有益な本となっています。
アジアの経済を学んでみたいという方、学生でも社会人でもおすすめの一冊です。