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イスラーム教徒の女性が頭に着用するヴェール(ヒジャブ)って義務なの?インドネシア大学の女子大生に聞いてみた!

イスラーム教徒の女性、と言われて皆さんがイメージするのは頭部を隠すためのヴェールではないでしょうか。

 

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この写真はインドネシアの一風景なのですが、ヴェールをかぶっている女性がたくさん写っています。

 

インドネシアではこのヴェールのことをヒジャブと呼びます。

 

日本ではなかなかこの文化について詳しく知ることはないと思うので、実際にインドネシアを訪れて現地の人から色々と教えてもらった情報をお伝えしましょう。

 

 

 

そもそもなぜヴェールを着けるのか

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イスラーム教におけるヒジャブ

ヒジャブの歴史を遡ると、どうやらイスラーム教が誕生する7世紀よりも以前から

存在していたようです。

 

その文化が、イスラム教の聖典クルアーンに記されている「美しい部分は人に見せないように」という教えのもと、頭はヒジャブで隠すことがイスラム教徒ととして正しい姿だと解釈されたのでしょう。

 

だから決して、教えのなかにヒジャブを被りなさい、と書いてあるわけではないんですね。

つまりヒジャブを被ることは義務ではないのです。

 

実際、インドネシアでもイスラム教徒だけどヒジャブをつけていないという人もいました。

 

 

近代化の波のなかで

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クルアーンヒジャブの着用義務は書かれておらず、あくまで解釈の問題だ、という話をしましたが、他にも多くの教義をどう解釈するかで様々な議論がこれまで行われてきました。

 

そして19世紀に多くのイスラーム教を信奉する地域が欧米列強の影響下におかれるようになると、近代西洋文明を受け入れていこうとする立場と、西洋文明とは異なるものこそがイスラームだとする立場で解釈が別れてしまいます。 

 

その結果、ヒジャブの着用を義務だと思う人がたくさんいる国もあれば、逆にヒジャブの着用を禁止する国(かつてのトルコとか)もあったりしたわけです。

 

 

しかし近年は、イスラームの復興が注目されるように、ヒジャブを着用する女性が増えてきたようです。

世界最大数のイスラーム教徒が住むインドネシアももちろん例外ではありません。

 

インドネシアヒジャブを着ける人が増えたのは最近のこと?

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ヒジャブ着用を制限していたスハルト政権期

実は1980年代のインドネシアの公立学校ではヒジャブの着用が規制されていました。

 

インドネシアイスラーム教徒こそ全体の9割をも占めますが、他にもキリスト教ヒンドゥー教、仏教、儒教も認めているので、イスラーム教の政治的影響力が強まることを当時の大統領スハルトが警戒したようです。

 

 

しかし、1990年代には着用が自由化され、今ではヒジャブを着けていない女性のほうが少数派になっています。

 

 

インドネシア大学の女子大生にヒジャブ事情について聞いてみた!

ということで、実際にヒジャブを着けている現地の女子大生にいくつか聞いてみたので、最後にそのリアルな声を!

 

ヒジャブはいつ頃着け始めるものなの?

これは人によってばらばららしいです。

小学生くらいから着ける子もいれば、僕が質問した子は大学になって着け始めたらしい。

 

タイミングは何かをきっかけ、というわけではなく、大概親に言われたりだとか、そろそろ着けるかー、みたいな感覚なのだとか。

 

ただ、一度着け始めたら、そこからは常に着けるようになるようです。

 

 

ヒジャブでおしゃれとかって意識するの?

めちゃくちゃするよ!!とのこと(笑)

色んな色とりどりのヒジャブがあって、それを選ぶのも楽しみの一つだとか。

 

インドネシアではファッションの一部になっているようです。

 

マックの店員さんも、マックの従業員用ヒジャブを着けていました。

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最近はスポーツ用のヒジャブや、水泳用のヒジャブもあるんだとか。

 

 

○家とかでは取るの?

家で一人のときはとるようです。

 

やはり、男性がいるとこでは着けとかないと、という感覚のようです。

 

だから誰の家に集まって女子会だー!というときはヒジャブをはずすこともあるらしいです(笑)

 

 

○なんでヒジャブを着けるの?

敬虔なイスラーム教徒たるため、と彼女は言っていました。

 

そしてヒジャブを着けるのは当たり前でしょ、というような風潮にもなっているようですね。

 

着けることへの抵抗はないし、それが普通、という感覚みたいです。

 

 

まとめ

以上、なかなか知ることのできないヒジャブ事情だったのではないでしょうか!

 

ヒジャブ、といっても地域や人によって同じイスラーム教徒でも捉え方は違うようです。

 

イスラーム教徒でない人も、こうした自分と異なる社会文化を理解していくことは重要なのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!