本から明日をつくる

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150年前のインドの死亡者記録を見ていて思ったこと

最近150年前のインドの死亡者データとにらめっこすることがありました。

こんなことができてしまうのは大学院生のいいところの一つですね(いいのかどうかはわかりませんが笑)。

 

ただ普段の生活しているとこういったもを目にする機会もなかなかないと思うので、今日は大学院生の特権をいかして少しこういった”歴史的史料”というものについて紹介してみようかなと思います!

 

まずは写真で見てもらった方が早いと思うので写真をのせましょう。

こんなかんじです。

 

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写真からでもこの史料の古さがよく伝わるのではないでしょうか。

 

約150年前というとインドはイギリスの植民地支配下におかれている状況でした。

イギリスはインドの植民地統治を円滑に行う上でインドの現地の詳しい情報を把握する必要がありました。

 

そこでイギリスは植民地現地の様々なデータを集めるということもおこなっていたわけです。

何も圧政をひいて民を働かせる、というだけが植民地支配というわけではないのです。

 

今回紹介した死亡者記録というのもその一部ということです。

かつては植民地統治のために記録していた様々な史料・データを、現代の歴史家たちは読み取って現代に歴史としてよみがえらせているわけです。

 

そういう意味ではこういった史料というものがない限り、当時はどういう要因で多くのことが死んだのかということは現代でからすると把握の仕様がないので、現代で歴史を書き上げる上でこういった歴史的史料というものは不可欠なんですよね。

 

 

じゃあこのデータからは何が分かるのか、というと、例えばこのデータの左の方は各地域における月ごとの死亡者数が書かれています。

よく読み込んでみると4月・5月になるとどの地域でも死亡者数が増加しているので、この時期になにか病気か何かが流行したのかな、ということが推測できます。

 

また、右側には死亡者の年齢ごとの分布や、志望要因も書かれています。

 

死亡者の年齢の分布から言えば幼児と子どもが圧倒的に多く、死亡者数の半分を占めています。

また、志望要因としてはコレラといった病気もたしかにあるのですが、一番多いのはfever、つまり熱のようです。

 

こういった情報を考慮していくと、150年前はたいした衛生設備・医療設備も整っていないわけで、簡単に熱がでてしまう子どもたちが、そのまま熱に苦しみ死んでしまうケースが多かったのではないか、ということが推測できるわけですね。

 

今紹介したのはこのデータから読み取ることができるほんの一例です。

史料から何を読み取ることができるかはその歴史家の腕次第ということにはなってきてまう、ということがなんとなく伝わったでしょうか?

 

ということで今日はそんな歴史家が向き合う史料ってどんなもの?という紹介でした。