【書評】~本田健『ユダヤ人大富豪の教え』
今回紹介するのは本田健『ユダヤ人大富豪の教え』(だいわ文庫)です。
この本は、著者が若い時に、一人のユダヤ人の老人と出会い、幸せな金持ちになるための17の教えを教えてもらった体験を本にしたものです。
その17の教え全てを紹介するわけにはいきませんが、その中でも「なるほど」と感じたいくつかを紹介していくことにしましょう。
ただ、17のこと全てが大切なことで、その中に無駄なことは何もないと感じたことは初めにことわっておきます。
要約
- 社会を知り、自分を知ること
- たくさんの人と出会い、利害を超える仲となること
- 夢を見て、情熱的に行動すること
- 必ず失敗はする、その上で淡々と生きていく
社会を知り、自分を知る
資本主義の社会には、年収500万円の人もいれば年収5億円の人もいます。
そして残念ながら満員電車におしこまれ、不自由な生活をしているのは年収500万円の人であると、そのユダヤ人は語ります。
経済価値や喜びを与えた人がそれに見合った分だけお金をもらうことができ、自由人であればあるほど「やらなければならないこと」に縛られない。
この社会はそのようにできている、と彼は言います。
そのためにも、社会を見る洞察力を鍛えていくことが大切となってくるから、たくさんの人に出会い、たくさんのことを経験することが必要となるわけですね。
また、自分を知ることも同じように大切です。
好きなことをやれることこそが、本当のパワーになるんだ、と。
だからこそ自分が本当に何が好きなのかを知ることが大切なのです。
よく就活をするとき自己分析が大切だとか言われると思います。
でも、このときやる自己分析ってお金がある程度もらえていわゆる「すごい」と言われる大企業に行くことを前提とした自己分析なのではないでしょうか。
そうじゃない本当の自己分析。
今の日本は「ちゃんと働くこと」=「いいこと」という固定観念があるような気がしますが、そのような常識を疑って自分が本当わくわくできることを目標とし、追求することが大切なのだと思い知らされます。
多くの人に出会い、感謝をする
自分を知り、社会を知る。
それと同じように大切なことは、人脈です。
この著者の本田健さんも、ユダヤ人の老人に出会えなければ、この本に書かれていることには気づけなかったかもしれないし、世界で翻訳されるに至ったこの本を書けなかったことでしょう。
たくさんの人に出会い、利害だけの関係でない人脈を築くこと。
自分が困ったときに助けてくれる存在となり、ともに何かを成し遂げるパートナーともなる。
これは実際大切なことですよね。
僕自身この人はすごいと思う人と出会うことがありますが、そのような人は必ずと言っていいほど素晴らしい人脈をもっています。
たくさんの素晴らしい人との出会いは自分に新しい価値観やモノの見方を与えてくれもします。
だからたくさんの人と出会えるように行動していきたいですね。
そして自分に色々なことを教えてくれるそのような出会い、人に感謝の気持ちを忘れない。
これがとても大切だとそのユダヤ人は語ります。
人は必ず失敗をする
この本に書かれていること教えを実践しようとしても、必ず失敗する、そう最後に書かれています。
そのうえで、
「自分でダウンを認めない限り、人生のゲームに負けない」
とそのユダヤ人は著者に伝えました。
よく言われることではあるけれど、なによりも大切なのはその心構えなのかもしれません。
何かを成し遂げた人は、そのことが成し遂げられるまであきらめなかった人であることには間違いないわけですから。
この本に書かれているのは、「失敗をしない方法」でなく、「失敗をしてもそれを乗り越えて人生を豊かにしてくために心にとどめておきたいこと」だったんだなとこの本を読み終えて思いました。
出会う人たちを大切にしてワクワクする方へパッションをもって行動する。
そのうえで何事にも動じずにたんたんと生きる。
この本に書かれているようにそんな生き方を目指したいと思わせてくれる一冊でした。