本から明日をつくる

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❮旅❯オランダ統治時代の歴史が残る観光スポット、コタ地区を歩く~ジャカルタinインドネシア旅行記⑤

さて、今回は前回に引き続きジャカルタの旅の続きです!

 

ラマダンが終わったレバラン初日のジャカルタについてまとめた記事はこちら。

 

honkaraasuwotukuru.hatenablog.com

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今回はジャカルタで観光するならここ!というときに必ずと言ってもいいほど名前があがるコタ地区の紹介です!

 

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オランダ統治時代の歴史が残るまち

インドネシアは、かつて第二次世界大戦で日本軍に占領されるまで約300年の間、オランダによる植民地支配を受けていました。

ジャカルタは日本占領期に呼ばれた名前で、オランダ統治下においてはバタヴィアと呼ばれていました。

 

そして、このコタ地区こそ、オランダのバタヴィア支配の中心地であったのです。

オランダ東インド貿易会社の貿易の拠点として、ジャカルタ北部に位置し、海もすぐそばにあります。

そのため、現在にもオランダ風の建築などが残っており、歴史を感じることができる場所として観光にも人気の場所となっているのです。

 

 

行き方はタクシー、バスあるいは電車でコタ駅まで行ってから歩きとなります。

※バスや電車は乗るのが少し難しいのでなれていない人にはおすすめしません

 

ちなみにコタ駅はこんなかんじで、

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駅前は露店や人、車でごったがえしていました。

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ここから5分も歩かないうちに到着するのが、ファタヒラ広場といってコタのなかでもメインの観光地になります。

 

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この建物はファタヒラ広場のシンボルともいえる旧市庁舎で、いまはジャカルタ歴史博物館になっています。

このように白い壁に赤茶色の屋根の建物が当時のオランダ式建築のようです。

 

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どうやらこの広場ではピンクの帽子をかぶってピンクの自転車に乗るのが一つの醍醐味みたいです。

これはオランダと関係ない気がするんだけどどうなんだろう(笑)

 

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こういった当事の大砲も飾られています。

なかなか迫力がありますよ。

 

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リアルな像が立ってるなーと思って眺めていたら、なんと顔が動いてにっこり笑いました。

実は本物の人で、人間観察モニタリングかな、って気分になりました。

 

こんなかんじでファタヒラ広場では大道芸人のような人たちもいて、そういった人たちを見るのもまた楽しみのひとつかもしれません。

 

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このように他にも風情がある場所はいくつもあります。

かつてのオランダ建築の建物に歴史を感じながら歩くことができるのはこのコタ地区の魅力の一つでしょう。

 

 

コタ地区のもう一つの魅力は博物館の多さ

ぼくが知る限りでもコタ地区には、ジャカルタ歴史博物館、インドネシア銀行博物館、ワヤン博物館、海洋博物館があります。

この博物館の多さがコタ地区の魅力の一つでもあります。

 

ジャカルタ歴史博物館は時間の関係でいけず、インドネシア銀行博物館は休館だったのでいけませんでしたが、残りのワヤン博物館と海洋博物館には行ってきました!

 

 

ワヤン博物館はファタヒラ広場の目の前にあります。

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ワヤンとは、ジャワ島やバリ島で古くから行われている、人形を使った伝統的な影絵芝居のことで、インドネシアを代表する伝統文化の一つとなっています。

 

実際にこのワヤン博物館ではワヤンで使われる人形がたくさん展示されていました。

 

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これがワヤンの中でも伝統的なタイプで、腕からのびる細い棒を持って動かします。

 

他にも、

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色んなタイプの人形がありました。

他にもたくさんあったのですが、きりがないのでこの辺りで。

 

ジャワの文化を知ることもできてなかなか面白かったですよ。

 

 

もう一つ行ったのが海洋博物館です。

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こっちの博物館はファタヒラ広場から10~15分ほど歩きます。

車通りが多かったり、逆にちょっと汚なめの道もあったりするので、そういうのが嫌であればタクシーを使うのもありかもしれません。

 

個人的にはコタで暮らしている人たちの空気を感じることができておもしろかったですが(笑)

 

この海洋博物館は大きく二つに別れていて、上の写真がその一つ。

オランダ統治時代の建物を使って、中には植民地時代に使われた望遠鏡などが展示されていました。

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上までのぼることができて、そこからの眺めはなかなかよかったです。

コタ地区を一望することができます。

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そしてもう一つのほうが、オランダ東インド会社の倉庫として17世紀に建てられた建物を博物館として使用しています。

 

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この横に長いコロニアルな建物が目印です。

 

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一階は主に船の模型や大砲などが展示されていました。

 

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二階にいくと、こんなかんじでバタヴィアの歴史を振り返るコーナーになっていました。

バタヴィアを訪れた中国人や、オランダ人、他のヨーロッパ人や日本人など、時代ごとの色んな場面が再現されているかんじになっています。

 

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こちらの倉庫の博物館には中庭があって、そこがとてもよい雰囲気でした!

 

 

歴史的な展示品がたくさんあるというわけではありませんが、雰囲気を感じたり、歴史を知るにはもってこいの場所です。

何よりも5000ルピア(50円)とめちゃくちゃ安いので行って損はしないと思います!

 

 

 

しかし、コタ地区には歴史ある観光地という“光”の裏には“影”がある場所なのでした。

 

 

観光地のすぐそばに広がるスラム

そう、コタ地区は観光名所と言われる場所から5分か10分も歩けばスラムのような貧困居住地区が広がる場所でもあるのです。

 

例えば、オランダ時代の架け橋としてコタ地区の見所の一つともされるこのスポット。

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 この歴史ある風景から180度、後ろを振り返ってみると…

 

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このような今にでも崩れてしまいそうな家が密集しているのです。

 

しかもこの川、めちゃくちゃ汚ないです。

ほんとにゴミだらけ。

 

ここだけではありません。

別の道をいけば、

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こんな風景や、

 

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こんな風景が広がります。

 

この場所なんてゴミの臭いがひどかった。

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しかも写真には撮りませんでしたが、このゴミ山のすぐ側でここの住民たちがビリヤードをしていました。

 

インドネシアは格差が問題になっているとは聞いていましたが、こういう現実を目の当たりにするとなかなか衝撃を受けました。

 

ただ、こんな場所にも子どもたちは住んでいます。

 

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この子たちはカメラを向けると照れ臭そうに目をそらします。

どんな世界でも子どもたちは無邪気で純粋です。

 

ただ、この子たちはぼくにマネーマネーと言ってきて、生まれた環境が違うだけでほんとに違う人生になってしまうんだ、ということを思い知らされました。

 

もちろん、お金はあげません。

あげたらこの子たちは誰かから与えられることを当たり前と考えてしまい、自分たちで生きていく力を失ってしまうことになってしまうかもしれないから。

 

きっとこうしたスラムにも彼らの生き方があって、コミュニティーがあって、生き甲斐があるのだとは思います。

しかし、子どもたちは自分の夢をもつことの意味も分からず、広い世界も分からず、いつ健康が損なわれるか分からない環境で生きていかなければならないのはなんとかならないのだろうかと感じてしまいます。

 

 

そのようなことを考えさせられるコタ地区の町歩きでした。