【書評】ブロックチェーンはこれまでの資本主義社会を180度変えてしまうのでは!?~ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット『ブロックチェーン・レボリューション』①
今回紹介するのは、ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット著、高橋璃子訳『ブロックチェーン・レボリューション ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか』(ダイヤモンド社)です。
400ページを超えるビジネス書で、part1、part2、part3に分かれているので、各パートごとに記事で紹介していきます。
この本は2016年にかかれた本ですが、今話題のビットコインの基盤技術であるブロックチェーンが秘める可能性を説明しています。
正直最先端のテクノロジーすぎて理解が及ばないところも大きいです、
しかし実現したら、まさに革命がおこる、社会が180度変わる、それだけは分かりました。
要約
- ブロックチェーンは一定時間内の取引をブロックという形で記録され、追加されていく
- 中心となるデータベースが存在せず(世界中の参加者に分散される=分散台帳技術)、暗号技術で高度なセキュリティが備わっている
- 仲介者の存在が必要なくなり、自由に価値を創造し交換できるようになる
- 人は誰にも介されることなくアイデンティティと権利をもって生きることができるようになる
信頼と価値の交換
ブロックチェーンは分散台帳技術でもあると言われます。
ブロックチェーンにより一定時間ごとに記録されブロックとして連結させられていく取引データが、あらゆるもののインターネットの基盤として成り立つようになっていきます。
これは、中心となるデータベースがない分散されたものであること、ネットワーク上にある技術だから誰でも自由に記録の正しさを確認できるパブリックなものであること、暗号技術を利用した高度なセキュリティが備わっていること、などの特徴のうえに成立します。
すでに言ってることで頭がパンクしそうです(笑)
ただ要は、こういうことかなと思います。
これまではお金の取引には必ず管理する人がいました。銀行とかを考えれば分かるでしょう。
なぜならお金を取引する際はそれがどんな商品と交換されたのか、どういう価値として認定されたのか、第三者に保証してもらうしかありません。
クレジットカードだって、間にクレジットカード会社が入って、クレジットカードの価値や信用を保証しているからこそクレジットカードを使った取引ができるわけです。
しかしここにブロックチェーンが登場するとどうなるか。
仮にビットコインのような仮想通貨で実際に取引が行われるようになったと仮定しましょう。
あ、ブロックチェーンはビットコインの基盤技術なのでブロックチェーン=ビットコインというわけではないのでご注意を!
さて、そうするとビットコインを使用すれば、どのような取引だったのか、どのようなものを買ったのかということでそのビットコインに記録されていきます。
それがビットコインを使う世界中のあらゆる人の取引全てにおいて記録されるので、インターネット上には、誰にも改竄される余地のない莫大で公正な情報が構成されるという仕組み、だと理解しました。
ブロックチェーンというテクノロジーシステム自体が、技術による信用をもとに取引の記録を行って、それを誰でも見ることができるので、銀行やクレジットカード会社といった仲介者が必要なくなるということがおこるようです。
本当の意味で、正しい情報をもとに、正しい価値を表したお金による経済活動が行えるようにるということです。
理解が間違ってたらコメントいただけると嬉しいです(笑)
ブロックチェーンが変える未来
上で述べたように、ブロックチェーンの本質は、莫大な記録のチェーンという第三者ですらないテクノロジーより保証された情報であり、それをもとに可能になる価値の交換にあり、自由に価値を想像し交換できるところにあり、その結果仲介者という存在が無意味になる、というところにあります。
つまり、いいことをすると得をして悪いことをすると損をする世の中になるわけです。
だって世界中の人が知りたいものの価値がインターネット上で確認できるようになるから、悪いことははっきり悪いこととわかってしまうからです。
こうしたことからブロックチェーンは公正な経済活動にとどまらず、政治の腐敗までも正すことが予想されます。
そして、公正な価値が世界中に伝わるので、アーティストの活動も公正に判断され、発展途上国の人がつくる服は今のように安い価格でなく正当な価値が付与されるでしょう。
きっと貧困も解決できるかもしれません。
つまり、ブロックチェーンは、産業革命以降続いてきた搾取する者と搾取される者によって成り立つ資本主義を根底からひっくり返すものになりうるのだと思います。
マルクスが願った革命は、時代をこえてテクノロジーにより実現されようとしています。
これが現実になれば革命どころじゃないですね。
では、現実問題これはどれくらい可能性があるのか。
それはパート2以降で説明されていくので、そっちのほうで参照したいと思います!