本から明日をつくる

《経済学の大学院を修了しベンチャー企業で働く管理人》が、“ビジネス”と”人生”を深くする教養をお届けします。【様々なジャンルの本から学べる明日に活かせる知識・視点】と【日本と世界のあまり知られていない世界の魅力】を発信しています。

発展途上国の人々の生活がなかなか豊かにならない理由

「世界の貧しい子どもたちにどうか寄付を。」

 

よく町中でみかける光景です。

多少は改善されているにせよ、ずっと昔からこういう活動っておこなわれているのに、どうして貧しい現状はもっとよくならないのか。

 

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本を読んだり、いろんな人の話を聞いたり、自分の目で見たり、そうする中で見えてきたものが少しだけあるので、今日はその話をしようかと思います。

 

 

搾取される者が必要な産業資本主義

少しだけ歴史の話を。

18世紀にイギリスで産業革命がおきて以来、産業資本主義は発展をしてきました。

しかしその裏には搾取する側の資本家と搾取される労働者という二項対立がありました。

 

先日読んだ『共産党宣言』はそんな搾取される側の労働者の搾取からの解放をうたったものでした

honkaraasuwotukuru.hatenablog.com

 

昔は一つの工場の中が経済の単位でもあったので、搾取する人が資本家、搾取される人が労働者でした。もちろん今もそれは根強く残っていますが。

 

さて、現代に視点を戻してみると、昔と比べて経済のグローバル化がとてつもなく進んでいます。

ここで地球を一つの経済の単位として見てみたとき、今の現状に気づくと思います。

 

先進国が搾取する者、発展途上国が搾取される者という構図です。

 

一つ例をだしてみましょう。

今大手アパレルショップで売られている服の中には、バングラディッシュ産と表記されているものが多くあります。

これらの服がどう作れているかと言うと、バングラデシュの人たちに1日30円とかそういうレベルで働かせて洋服を作り、その作られた服を先進国の大手アパレルショップがやっすい値段で買い取り、先進国の人たちにたっかい値段で売りつけるわけです。

 

そりゃ利益がでるわけです。

そして搾取される側の人たちはご飯を食べるのがやっとの生活しかできないわけです。

 

そんな状態で生活が豊かになるわけがないのです。

 

 

足りないのは教育と自国の仕事の豊富さ

じゃあそういう先進国の企業じゃないところで働けばいいじゃないか、と発展途上国の人たちに感じる人もいるのではないでしょうか。

 

しかし、他にちゃんと雇用を生み出せるだけの自国の企業が、仕事がないのです。

むしろないからこそ先進国の企業が簡単に進出してきたと言ってもいいかもしれません。

 

僕はそういう企業がないことが悪いことだとは思っていません。

だけど、一度資本主義という歯車に組み込まれてしまったら、そこから抜け出すのは本当に困難です。

 

だからこそ、搾取され続けないように、発展途上国の人自らが知識をつけ、自分たちの力で稼ぐ力を身に着けることが何よりも大切な事なんじゃないかと今は思います。

 

貧しい地域の人たちの力のために何かしたいと思って、寄付をするときは(寄付が悪いとは言っていません!)、いったんたちどまってそのお金がどういうふうに使われるのかをよく納得してからにしたほうがいいかもしれません。

 

本当にその寄付は現地の人たちが生きるための力につながりますか?

 

これから求められるものはそういう力をつけさせるための手助けであってほしいと思います。

 

 

最後に少しだけ

ブロックチェーンの本を友人から借りて読んでいます。

 

このテクノロジーによって世界がまわるようになったら、仲介業者が必要なくなるそうです。

つまり、発展途上国の人たちが生み出すものに、本当の価値にふさわしいだけのお金が、発展途上国の人たちの手にしっかりと行き届くシステムがつくれるようになるのだと思います。

 

このブロックチェーンというテクノロジーによって、世界の貧しさが大きく変えられる、搾取と搾取される二項対立の資本主義に終わりが訪れるかもしれない。

 

そんなことを思う今日この頃でした。